沖縄の五輪合宿、7自治体が中止 開催市町村も規模縮小


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 新型コロナウイルスの影響が長引く中、夏の東京五輪開幕まで1カ月を切り、当初予定されていた県内での五輪・パラリンピックの事前合宿や交流事業が相次いで中止となっている。県内では12カ国の選手団が県内11市町村に事前合宿や事後交流などで滞在予定だった。だが琉球新報のまとめによると、糸満市(トルコ、パラ陸上)や宮古島市(オーストラリア、トライアスロン)など、7自治体で中止が決まった。

 事前合宿を受け入れる自治体も、住民との交流事業を取りやめたり、歓迎式が縮小したりし、自治体は感染対策との両立のために計画見直しを迫られている。

 那覇市(ドイツ、空手)や浦添市(デンマーク、ハンドボール)など5市町村は予定通り合宿を実施する。しかし当初期待された地域との交流はほぼ不可能な状態だ。

 県スポーツ振興課によると、合宿中の選手は外食禁止などの行動制限下に置かれ、ホテルと練習場間の移動が主になる。入国前の96時間前に2度PCR検査をし、入国後14日間の毎日の検査もある。

 仮に合宿地で選手ら関係者がコロナ陽性となった場合はどうか。県によると、一般県民と同じように症状などに応じて自宅(ホテル)療養、宿泊療養施設、病院で受け入れるかどうかを県が調整するという。

 沖縄市はニュージーランドの空手代表、フランスのバレーボール代表の事前合宿を受け入れ予定だったが、ニュージーランドは取りやめとなった。一方、フランスは予定通り受け入れ予定だ。市の担当者は「フランス選手団の歓迎式も開くが、当初案より簡素なものになる。市長と監督がそれぞれあいさつする形にする」と説明する。「この状況なので、市民との交流はなしとせざるを得ない」と残念がった。

 一方、オーストラリアのトライアスロン選手団受け入れが中止となった宮古島市。市の担当者は、大会組織委員会などが選手や関係者ごとに新型コロナの感染防止に必要なルールをまとめた「プレーブック」について、「実現が不透明だ。プレーブックを守るために必要なスタッフが用意できない」と説明。感染対策の観点から、合宿開催にこだわらない考えを示した。

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