「何もせずにおれなかった」 地域の看護師ら、ワクチン接種会場で業務を応援 読谷村


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経過観察を担当している嘉数テルさん(中央)ら=22日、読谷村

 【読谷】沖縄県読谷村のワクチン集団接種会場で、看護師や保健師の資格を持つ人々が医療従事者の業務を支援している。村の「ゆいまーる共生事業」で高齢者の見守りを担当してきた嘉数テルさん(77)が呼び掛け、14人が接種後の経過観察を担当している。嘉数さんは「医療現場の大変さを知っているので、何もせずにはおれなかった。新型コロナウイルスを少しでも早く終息させたい」と語る。

 嘉数さんは県立病院で看護師として30年以上、勤めてきた。近年は「ゆいまーる共生事業」で地域の高齢者を支えてきたが、昨年から感染予防のためほとんどの活動が中止された。「高齢者や医療従事者のためにできることはないか」と考え、今年2月に同事業で共に活動する看護師らを誘って、村にボランティア趣意書を提出した。

 50代から80代の看護師ら14人が現在、毎日3人ずつ交代で活動している。接種を受けた人の基礎疾患の有無などを把握し、声を掛けつつ、15~30分間観察する。これまでに重大な副反応は確認されていないという。「接種を受けた人に声を掛け、少しでも不安を和らげたい」と話す。

 7月1日からは村の接種会場が2カ所に増え、18人で取り組む。「現役の医療従事者だけに任せるのではなく、皆で助け合いたい。場を作れば、賛同してくれる人は多いということが分かった」と話した。
 (宮城隆尋)