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子どもの性教育におすすめのサイト、漫画<伊是名夏子 100センチの視界から>100


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性について学べるお薦め本

 記念する100回目、カジマヤーの年齢を超えたあまはいくまはいのコラムです。何を書こうか迷ったのですが、私の趣味である性教育について書かせていただきます。

 私が高校3年生の夏休み直前、担任の先生がホームルームで「彼氏、彼女の家に遊びに行くことになったらどうする?」と話し始めました。以前、生徒の一人が妊娠し、高校を中退したからだそうです。普段はなかなか話さない避妊のことや、その準備について話し合ったことを、今でも鮮明に覚えています。

 しかし、避妊についてだけでなく、「お互いに同じ気持ちだとは限らないので、嫌なことは嫌と言ってもいい、気持ちを確認する性的同意が大切」「中絶は女性の権利であり、大切な選択肢の一つ」「出産したい時の選択肢」などについても話すことができたら良かった、と大人になった今は思います。高校生向けにはインターネットサイトの「セイシル」や、助産師の「シオリーヌ」の動画がお薦めです。

 夏休みを前に、小学校でも性の話をすることがあると思います。二次性徴で起こる体の変化に不安を抱ええながらも、相談できない子どもは多いでしょう。高学年の子どもには、漫画「ポップコーン天使 知ってる?女の子の体」「おれたちロケット少年 知ってる?おちんちんのフシギ」がお薦めです。自分の体のことだけでなく、想像するしかない異性の体について学ぶことも大切なので、2冊セットがお薦めです。

 私はよく高学年の子どもの誕生日プレゼントに選びます。またインターネットの「花王 からだノート」「ワコール ガールズばでなび」はイラストがたくさんで、読みやすいのでお子さんと見てみてください。

 今、生理用品も紙ナプキンだけでなく、タンポン、布ナプキンなど、いろいろな選択肢があり、おしゃれなものも出てきました。鮮血を吸ってくれる吸収ショーツはファストファッションのお店でも安価に手に入ります。

 大人の私たちもなかなか学ぶことができなかった性について、考えてみませんか? 体のことだけでなく、自分らしく生きるにはどうしたらいいのか、夫婦関係でも嫌だと思うことをどう伝えたらいいのか、人と比べてしまって自信をなくす時にどうしたらいいのか、など日頃の悩みが包括的性教育では学べます。この夏、私たちが学び始め、自分の幸せを見つけるだけでなく、子どもの将来の選択肢を増やしていきませんか?


 いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。