タブレットで新聞製作 西原・坂田小で平和学習 戦争マラリアも学ぶ


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ

 【西原】西原町の坂田小学校(金城明美校長)は6月22日、同校で慰霊の日を前に西原での沖縄戦や平和の尊さを学ぶ平和学習を実施した。学年ごとに異なる手法で学び、5、6年生は1人1台のタブレット端末を使用しながら、初めてデジタルでの新聞製作に取り組んだ。

タブレット端末を携えて金城明美校長の八重山の戦争マラリアに関する説明を聞く5年生の児童=6月22日、西原町の坂田小学校

 金城校長は体育館で5年生に八重山の戦争マラリアの歴史について話した。大型スクリーンに折れ線グラフなどを活用したデータを示しながら説明した。新聞製作をする際に「自分で考え、事実をつかみ取り、分析する力を付けてほしい」との狙いがあった。また、新型コロナウイルス感染拡大で休校などの影響を受けた児童に、戦争体験者の「乗り越えていく力」について考えてほしいとの思いもあった。

 児童は教室に戻ると、タブレットでそれぞれの新聞作りに励んだ。

 平良一翔(いっと)さん(10)は「戦争は空爆や兵器だけじゃないと知った」と話し、宮里巴菜(はな)さん(10)は「戦中だけではなく、戦後も大変だったことを学んだ」と感想を述べた。2人とも「グラフがあって分かりやすかった」と話し、学んだことを早速自身の新聞作りにも反映した。

 6年生は当初、「西原の塔」へ行く予定だったが雨天で延期になった。教室で沖縄戦や平和な世の中に向けてできることを考えた。

 津留康貴さん(12)は「戦後76年たっても世界では人種差別などの問題がある。自分でも何か行動して平和な世の中にしていきたい」と話した。長嶺璃子さん(11)は「基地問題や辺野古、オスプレイの問題が解決したら本当の平和だと思う」と沖縄にある諸問題に思いを巡らせた。

 児童はこの日学んだことに加え、今後も情報収集を続けながら数カ月かけて新聞を完成させる予定だ。