ヒマワリに平和への願い 宮森小の墜落事故、祖父が体験


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「みんなが平和で安心して暮らせる街になってほしい」と話す長嶺向日葵さん

 【うるま】平和のシンボルフラワーとして宮森小学校の校舎内に咲き誇るヒマワリ。この花と同じ漢字の名前の長嶺向日葵(ひまり)さん(12)=同校6年=は、祖父が宮森小米軍ジェット機墜落事故の体験者だ。これまで何回も事故のことを話していた。「友達を失ったと聞いた。つらくてきつい話だけど、平和な生活を送っている私たちは忘れてはいけないと思う」と力を込める。

 当時小学2年生だった祖父によると、ミルク給食時に突如大きな音が響き、一瞬で周囲が火の海になった。事故があった6月30日が近づくと、長嶺さんや長嶺さんの弟の竜球(たつる)さん(9)=同校4年=に事故を振り返りながら「二度と起きてはいけないことだよ」と語り掛けるという。

 その話を聞くたびに、長嶺さんと竜球さんは、現在も飛ぶ米軍機が墜落することに恐怖を感じながら「落ちないでほしい」と願う。長嶺さんは「みんなが平和で安全に暮らせる街になってほしい」と話し、周囲を明るくさせるという思いが込められた名前のとおり、大きな笑顔を見せた。

 宮森小では事故で亡くなった上間芳武さん(当時3年)が好きだった花として、毎年ヒマワリを植え付けている。