玉城知事「実質勝訴もある」 辺野古サンゴ訴訟敗訴でも


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 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設予定地でのサンゴ類移植を巡る国との裁判で県の敗訴が確定した6日、玉城デニー知事は記者会見で、国との裁判闘争で敗訴が続いていると指摘され「実は敗訴ばかりではない。全て敗訴しているように報道されることがあるが正確ではない」と反論した。2016年の和解を受け、国が新基地建設に向けた工事を約10カ月止め、船や機材を撤去したことなどを挙げ「実質的に勝訴と同等の効果が得られた」ことがあると強調した。

 辺野古新基地建設を巡る国と県の訴訟は、翁長雄志知事時代の15年11月に国が県を提訴したのが始まりだ。これまでに9件あるが、いずれも県の勝訴はない。和解や取り下げが計4件あるほか、4件で県の敗訴が確定した。1件は係争中だ。

 15年10月に当時の翁長知事が仲井真弘多元知事による埋め立て承認の取り消しに踏み切ると、国は翁長知事による承認の取り消しは違法として代執行訴訟を提起。県側も15年12月、抗告訴訟を起こすなど対抗した。

 16年3月に和解が成立。県と国は問題の解決に向けて協議することを確認したが、16年7月、埋め立て承認取り消しに対する国の是正指示に応じないのは違法だとして、国が再び県を提訴するなど、法廷闘争が続いた。

 係争中の裁判は、県による埋め立て承認撤回を取り消した国土交通相の決定(裁決)は違法として、県が処分取り消しを求めた抗告訴訟のみ。20年11月に那覇地裁で県が敗訴している。県が控訴し、福岡高裁那覇支部で8月26日に控訴審第1回口頭弁論が予定されている。