「民意に向き合っていない」 辺野古サンゴ訴訟、沖縄県敗訴 落胆や批判の声


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辺野古新基地建設に反対する市民らが座り込みなどの抗議活動を続ける米軍キャンプ・シュワブのゲート前=6月15日、名護市辺野古

 名護市辺野古の新基地建設に向けた大浦湾のサンゴ類移植を巡る訴訟は、最高裁で県の敗訴が確定した。最高裁の判決に対し、新基地建設に反対する市民から落胆や批判の声が上がった。沖縄防衛局から出された設計変更への判断を控える玉城デニー知事に対しては「民意に添った判断を」と、不承認を貫くよう求める意見が出た。

 沖縄平和運動センターの岸本喬事務局長は「最高裁は沖縄の民意に向き合っているとは言えない。辺野古絡みの訴訟では裁判所は政権寄りの判断を繰り返しており、『三権分立』を子どもたちに教えられない状況だ」と指摘した。

 米軍キャンプ・シュワブのゲート前で抗議した中山吉人さん(64)は「がっかりしたが予想はしていた。これから設計変更の判断もあるはずだが、玉城デニー知事はひるまずに政府のずさんな計画をきちんと指摘し、民意に添って不承認の決断をしてほしい」と話した。

 米軍普天間飛行場の米軍機が近くで離着陸する宜野湾市新城で、子どもの居場所づくりなどに取り組む赤嶺和伸さん(67)は「県の敗訴が続くと、サンゴなどの環境破壊のほか、新基地建設に反対する人たちの心が壊されていっている気がする」と受け止めた。「残念だが、民意ではね返していくことはできる」と前を向いた。県が新基地建設の設計変更をどう判断するかについては「玉城デニー知事は当選の時の民意を受け止めれば、認めない方向だと思う」と期待を込めた。