中立の伸縮も注目 那覇市議選三日攻防突入 コロナ禍、各陣営手探り


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 任期満了に伴う11日投開票の那覇市議会議員選挙は8日、選挙戦最終盤の三日攻防に突入した。40議席に対して、63人が立候補して激戦を繰り広げる。来年の市長選や県知事選の前哨戦とも位置付けられる。現有15議席からの上積みを狙う市政与党に対して、野党の自民・公明も多数野党の実現をにらみ、現有13議席からの勢力拡大を期す。中立が議会構成の鍵を握る構図は変わらず、21人が立候補している中立勢力の伸縮にも注目が集まる。新型コロナウイルス緊急事態宣言下で票が読めない状況の中、各陣営とも手探りの選挙戦を展開する。

 城間幹子市長を支える与党的立場の立候補者19人(現職13人、新人6人)が全員当選しても、与党単独の過半数は果たせない。ある与党陣営関係者は「現有を上回れば与党の勝利と言えるのでは」と独自の勝敗ラインを設定しつつ、市政運営の安定化のために一部中立勢力を与党に引き込む戦略を描く。

 野党的立場を掲げるのは、自民、公明を中心とした23人(現職11人、元・前3人、新人9人)。自公勢力も改選後は一部保守系中立議員を取り込む計画を練っており、「過半数を確保して、市政奪還に弾みを付けたい」(自民県連関係者)ともくろむ。

 与野党双方がそろばんをはじく中、コロナ禍が影を落とす。もともと地方議会選挙は、支持基盤が保革や政党を超えて重なり合うことが多く、首長選や国政選挙に比べて票が読みにくい。今選挙はさらに新型コロナの影響で、総決起大会などが軒並み縮小や中止になり陣営の勢いを測る指標も見えない。「霧の中で選挙戦をしている」(中立陣営関係者)という現状だ。「投票率が低下し下位は団子状態になる」(与党関係者)との見方が強い今選挙で、最終3日間の重要度が一層高まりそうだ。