基地従業員ら「全面勝訴」に歓喜 制裁無効の判決「尊厳を守る」


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判決言い渡し後に、那覇地裁前で「勝訴」の紙を掲げる原告ら=7日、那覇市樋川

 「全面勝訴。歴史的な1ページを刻んだ」―。基地従業員12人の請求を認めた7日の那覇地裁判決を受け、原告側代理人の池宮城紀夫弁護士は喜びをかみしめるように語った。判決後に開かれた集会では、基地従業員の権利を守るよう求める声が上がった。

 日米地位協定により、基地内では米軍が排他的な管理権を持つ。原告を支援する全駐留軍労働組合(全駐労)沖縄地区本部の與那覇栄蔵執行委員長は「金網の中では、日本人従業員の権利を無視するような横暴がまかり通っている」と指摘する。「今回の判決は、基地従業員の尊厳を守ることにつながる」と評価した。

 原告の石川修治さん(45)は「判決はうれしいが、本来なら国が雇用主として慎重に判断すれば、裁判まで至らなかった」ともらした。特殊な環境下で働く基地従業員に対する不当な扱いは、今後も起こる可能性があるとし「この判決が一定の歯止めになることを期待する」と訴えた。