県内国保減免2.9%止まり 制度の継続・改善要請 推進協など


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 新型コロナウイルスの影響で一定程度収入が減少した世帯を対象にした国民健康保険料の減免について、県社会保障推進協議会と県商工団体連合会は8日、県に減免制度の継続と改善を国に求めるよう要請した。協議会の調査によると、2021年3月末時点で、国保被保険者世帯数に対する減免世帯数の割合は県平均で2・9%にとどまる。コロナ禍で生活の苦しい県民が制度を活用できるよう、協議会の高崎大史事務局長は「生活の危機は命の問題にもつながる。今を乗り越えるため、気後れせず申請してほしい」と呼び掛けた。

 同協議会によると、特例減免制度は、20年度は減免分を国が全額負担していたが、21年度から国負担分は4~10割となった。各市町村における保険料の減免総額が、医療給付費などの見込額から公費などを除いた「市町村調整対象需要額」の3%以上を占めなければ、国の全額負担の対象にならず、自治体の負担が発生する。

 国は今年6月の通知で「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を自治体負担分に活用できるとしたが、高崎事務局長は「本来この交付金は自治体が使いたいところに回せるお金だ。減免分に充てれば他に使えるお金が減ることになり、全額支援にならない自治体が不利になる」と語り、国費による全額支援の継続を求めた。

 減免対象は、新型コロナで主たる生計維持者が死亡、または重篤な傷病を負った世帯か、(1)収入減少が前年収入に比べ10分の3以上の見込み(2)前年の所得合計額が1千万円以下(3)収入減が見込まれる所得以外の前年所得の合計額が400万円以下―の3項目全てが当てはまる世帯。協議会は「すでに減収になった前年より、さらに減収にならなければ減免できない」として、前年比ではなく2019年比で申請できるよう求めている。

 高崎事務局長は「制度を使う権利を生かし、家族や自分の生活を共に守ろう」と呼び掛けた。

※注:高崎大史氏の「高」は旧字体