外来オスプレイ、半年もとどまったまま 米軍普天間飛行場 市も詳細情報なく戸惑い


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昨年12月に米軍普天間飛行場に飛来した外来の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ=2020年12月7日、宜野湾市内

 沖縄防衛局によると、昨年12月に米軍普天間飛行場へ飛来した外来の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ1機が、半年以上が過ぎた今年7月1日現在も同飛行場にとどまっている。防衛局が2017年度から実施している目視調査では、半年も外来オスプレイがとどまる前例はない。米軍は詳細を明らかにせず、宜野湾市はどのように対応すべきか戸惑っている。

 防衛局によると、昨年12月2日と3日に外来オスプレイ5機が飛来し、うち4機は同3日に離陸した。本紙は同7日、残った1機は米ノースカロライナ州ニューリバー海兵隊航空基地所属と確認。とどまっているのは同機体とみられる。防衛局の目視調査で外来オスプレイは昨年12月から今年5月までに、月に12~68回ほどの離着陸をしている。

 普天間所属オスプレイは12機が2012年に初配備、13年に12機が追加配備された。本紙は米軍に外来オスプレイについて複数回、質問したが回答はない。防衛局は「機体の所属と飛来理由は、米軍の運用にかかり承知していない」とした。外来機の飛来については「安全面に最大限の配慮を求め、地元に与える影響を最小限にとどめるよう申し入れる」と述べた。

 松川正則市長は「半年もいるのは常駐と同じではないか」といぶかしむ。騒音の大きい戦闘機といった外来機の飛来禁止を求めているが、外来オスプレイに関しては対応方針が定まっていないため、頭を抱えている。

 在日米軍を監視するリムピース編集長の頼和太郎氏は、普天間所属オスプレイを整備する、陸上自衛隊木更津駐屯地(千葉県)と関連する可能性を指摘する。関係者によると木更津で現在、普天間所属のオスプレイ複数機が整備に入っているという。頼氏は「木更津にある機体の整備がうまくいかず、その補充のため外来が(普天間に)飛来しているのかもしれない」と分析した。

(金良孝矢)