沖水、継投でコザを零封 國吉がバックのげきで覚醒 沖縄大会2回戦<高校野球2021>


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 第103回全国高校野球選手権沖縄大会第7日は10日、沖縄市のコザしんきんスタジアムなどで2回戦8試合を行い、沖縄水産がコザに2―0で勝利した。那覇は延長十回の末、糸満との接戦を5―4で制した。小禄は6―5で沖縄カトリックに、浦添商は8―7でKBC未来に、豊見城は6―4でウェルネス沖縄に競り勝った。興南は北部農林に20―0、八重山は八重山商工に10―3、沖縄尚学は北山に9―0でそれぞれコールド勝ちした。11日は3球場で3回戦8試合を行い、8強が決まる。


 

気迫のこもった投球を見せる沖縄水産の國吉一輝=10日、沖縄市のコザしんきんスタジアム(大城直也撮影)

 勝負どころは八回表。沖縄水産が2点をリードするが、粘るコザも単打を続けて1死一、三塁と好機を広げた。内野陣がマウンドの國吉一輝に駆け寄り、口々に鼓舞する。「ここは強気だろ」「三振狙っていいぞ」。五回途中からの継投ながら、全力投球を続けて若干疲れの見え始めていた右腕が息を吹き返す。「あの声掛けで楽になった。腕を振って押していくことだけを考えていた」

 この日、自己最速となる142キロを記録した力のある直球でストライクを重ね、低めに抑えた変化球で空振り三振。続く打者も「絶対に負けない」という強い気持ちを138キロの真っすぐに乗せ、連続三振でピンチをしのいだ。

 これまでは走者を背負った時に動揺から球筋が荒れていたというが、ブルペンで低めを意識しながら心を落ち着けることで制球力が増した。マスクをかぶる新垣碩人も「気持ちを込めて」と声を掛け続け、安定した投球を支えた。

 「優勝して甲子園に行き、支えてくれた人たちに感謝の気持ちを届けたい」と力を込める國吉。強心臓と剛腕で古豪を引っ張る。

 (長嶺真輝)


 ●コザ 1番打者として4安打の活躍を見せた2年の米須清佑「打てたのはうれしいけど、最終回で足をつり、チームの流れを切ってしまい悔しい。次の代は自分が主将。今年よりも強いチームをつくりたい」