日本ハンドボール協会が10日に開いた東京五輪男子日本代表のオンライン会見で、県出身の東江雄斗(興南高―早大出、ジークスター東京)は「まずは予選リーグ突破が第一目標。がむしゃらに戦い、メダル獲得に挑戦したい」と決意を語った。センターバックとして攻撃の司令塔を担う。「試合をコントロールし、勝負どころで得点やアシストをしてチームを勝たせたい」と中心選手としての強い自覚をうかがわせた。
予選リーグ初戦となる24日のデンマーク戦まで残り2週間を切った。いきなりリオ五輪で金を獲得した優勝候補との対戦となるが「楽しみで、ワクワク感が強い」と穏やかな表情で語る。「世界ナンバーワンでも弱点はある。全員が動いて得点に結び付けるのが日本の強み。ぶれずにしっかりコントロールしたい」と戦い方のイメージは固まってきているようだ。
現在の合宿でも戦術や連係の精度をさらに磨いているという。「よりコミュニケーションを密にし、こういうプレーをした時に回りにこう動いてほしいとか、共通理解を深めている」とチーム力向上に余念はない。
大会中に対戦が楽しみな選手に挙げたのはデンマークのミケル・ハンセン。国際ハンドボール連盟の年間最優秀選手に過去3度輝いたスーパースターだ。1月の世界選手権でデンマークと当たった時は欠場していた。「画面越しに見ていた選手と対戦するのはすごく楽しみ。負けないプレーをしたい」と高揚感と対抗心をのぞかせる。
大会は6チームの2グループで予選リーグを行い、上位各4チームが準々決勝に進む。予選で5試合を戦うが、東江はデンマークなどに比べて世界ランキングが下のエジプト、バーレーン、ポルトガル戦を「さらに重要になってくる試合」に位置付ける。この国々から白星を重ね、決勝トーナメント進出を狙う。
ハンドは無観客開催が決まり「正直、悲しい気持ちがある」と本音を漏らしたが「世の中には苦しんでいる人がいっぱいいる。勇気と感動を与えたい」と奮い立つ。知名度や集客力で課題も多い日本リーグについても触れ「僕たちが結果を残せれば、日本リーグも自然と盛り上がっていく。国内でのハンドの位置付けを変えていきたい」と競技発展に思いをはせた。