【大宜味】昨年10月に大宜味村内のバナメイエビ養殖場で、甲殻類の感染症「急性肝膵臓(すいぞう)壊死(えし)症(AHPND)」が発生した問題で12日夜、同養殖場を運営する事業者が村民や漁業関係者向けに説明会を開いた。県が今年2月17日、「まん延防止措置命令」を解除したことを踏まえて、養殖再開に向けた取り組みを説明し、村民らの理解を求めた。再開の具体的な時期は未定。
業者は、県などの指導の下、施設の消毒作業や養殖に使用した水の中和作業を終えていることや、周辺海域の調査で感染が確認されなかったことを強調。今後はAHPNDの清浄性が確認された「ステータス1A」の施設から稚エビを輸入するなど、安全対策を徹底した上で再開する意向を示した。
村民からは業者の地域活性化に向けた取り組みに理解を示す声もあった一方、「ここで養殖をする必要はあるのか」「機械の音が気になる」などの懸念や、「どのように住民との合意を得るつもりなのか」と村や業者の対応を問う声もあった。
村は今年3月に養殖事業の承認を取り消している。業者は「村と協力し再開に向けた事業計画を策定し、村民の理解を得ながら進めていきたい」とした。今後も説明会を継続する予定。