有料

【主な落下事故一覧】民間機なら重大インシデント…沖縄知事「あってはならない」 米軍コンテナ落下


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
渡名喜島沖でコンテナを落下させたCH53E大型輸送ヘリの同型機=6月、米軍普天間飛行場

 在沖米海兵隊のCH53E大型輸送ヘリコプターが13日に渡名喜村の入砂島と渡名喜島の間の海上に鉄製コンテナを落下させた事故を受け、玉城デニー知事は14日の会見で「空から物体が落下するような事故があってはならない」と非難した。

 1965年に読谷村で小学5年生の女児が亡くなったトレーラー落下事故や、2017年に宜野湾市で起きた普天間第二小米軍ヘリ窓落下事故に言及し、「絶対に事故があってはならないという強い抗議の気持ちを持っている」と強調。米軍などに抗議する意向を示す一方で、抗議内容については「調査が上がってきてから検討したい」と語った。

◆落下や降下 事故絶えず 1965年女児死亡も

 米軍機による物資や部品の落下事故は繰り返されてきた。今回と同じくつり下げ輸送中に物資を落とした事故や訓練で誤って民間地に物資や兵士が落下・降下したものがある。1965年には読谷村で物資のパラシュート投下訓練中に約2・5トンのトレーラーが民家そばに落下し、下敷きになった小学5年生の女児が亡くなった。

 2020年2月25日に読谷村のトリイ通信施設の西1・3キロの海上で米軍が鉄製標的を落とした事故も、CH53E大型輸送ヘリコプターでのつり下げ輸送中だった。ヘリで物体をつり下げて輸送していたところ、物体が不安定になったため、意図的に落下させたと説明している。

 民間機の場合、物体が1キロ以下である場合などを除き、つり下げ輸送中の事故は通報され「重大インシデント」と認定されるのが通例だ。

 ほかに20年1月には伊江島補助飛行場(伊江村)そばの提供区域外の畑に米軍のパラシュートと砂袋入りのプラスチック製の箱が落下する事故や、同2月には嘉手納基地を拠点に訓練中だったFA18戦闘攻撃機が給油口パネルを落下させる事故が起こった。