沖縄県の「貯金」残高78億円に回復へ 税収落ち込み想定より小さく


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 新型コロナウイルス対策による支出が相次ぎ、底を突いていた沖縄県の貯金に当たる「財政調整基金」の残高が、2020年度決算に伴って78億円まで回復する見通しとなったことが16日、県財政課への取材で分かった。県税収入の落ち込みが想定より小さかったことや、予算執行残による不用額の発生、特例的な県債発行などで20年度の基金取り崩し額が当初より減少したため。

 会計管理者が16日、20年度決算書を県知事に提出した。監査人審査と県議会9月定例会への報告を経て、同11月定例会で承認を経て確定する見通し。20年度末時点の基金額が上方修正され、基金額が回復する。

 県財政課は「当面のコロナ対策費は確保した」とするが、県の財政は依然厳しい状況が続く。同課は「予備費や繰越金活用などで対応したい」と説明した。