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沖縄の空き家は増加傾向 中古住宅が流通しない理由とは<けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 総務省がまとめた住宅・土地統計調査(5年ごとに実施)によると、2018年の本県の空き家数は6万7900戸となり5年前に比べ5500戸の増加、空き家率は10・4%で0・1ポイント増加しています。

 また同年の全国の空き家数をみると848万8千戸、空き家率は13・6%となり過去最高となっています。

 こうした事態に対処すべく、2014年には対応策としてリフォーム代金補助等の特例措置を施行するも、空き家の利用促進は進んでいないのが現状です。全体的な理由として物置として残す用途や解体費用等の問題もありますが、本県では位牌承継などの考え方からなかなか物件を売りに出せないなどの事情も、中古住宅があまり流通しない要因の一つとなっています。

 昨今、新型コロナの影響で人々の働き方も変わりつつあります。都市部と地方に家を構え、行き来しながら働く2拠点居住が広がっています。

 かつては富裕層が別荘としてセカンドハウスを持つのが一般的でしたが、今は様相が異なっています。地域振興につなげたい自治体、アイデアを生み出したい企業の後押しもあり、気軽にデュアルライフを楽しむ環境が整いつつあります。

 今後は少子高齢化が進み、空き家戸数もさらに増加することが予想されます。本県において増加する空き家へのリノベーションなどで利活用することが地域の活性化、そして持続可能な事業につながるものと考えます。

 (沖縄銀行審査部上席審査役 津波古雄二)