沖尚、攻守で盤石な布陣 今大会は群雄割拠の様相 高校野球沖縄大会総評


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 第103回全国高校野球選手権沖縄大会決勝は、第3シードの沖縄尚学が投打のかみ合ったプレーで、中部商に5―2で勝利し2年ぶり10度目の優勝を決めた。夏の甲子園出場は9度目。打撃、守備ともに盤石の布陣で甲子園に挑む。18日に閉幕した今大会を沖尚を中心に振り返る。

優勝した沖縄尚学の選手ら=18日、沖縄セルラースタジアム那覇

■“ゼロ”のエース

 沖尚は秋に背番号1を背負いながら、左腕の負傷で離脱した當山渚が完全復活。手術後のリハビリを重ねた努力が実り、今大会4試合に登板し、防御率ゼロ。球のキレや伸び、制球力と三拍子そろう。経験豊富な後間翔瑚に急成長株の美里大雅と投手陣が豊富で全国の強打者にも十分対応できそうだ。鉄壁の二遊間や俊足ぞろいの外野の堅守も際立ち、1試合平均失策0・6。仲宗根皐が毎試合複数安打で打率6割1分1厘の成績を残したのを筆頭に春からの課題だった打撃を修正。下位を含めどこからでも起点をつくれる打線に仕上がった。好投手が待つ甲子園は、中軸がけん引し好機をものにしたい。

■猛者ぞろい

 沖尚をのぞいた4強は中部商が10年ぶり、知念が39年ぶり、豊見城が33年ぶりの準決勝進出と、今年も群雄割拠の様相を呈した。準優勝の中部商は機動力で勝ち上がった。選球眼が良く、四死球での出塁が試合平均5・6。平均3の盗塁と合わせ、ほぼ毎回の出塁でリズムをつくった。エース・米須武瑠はコースを突く丁寧な投球で準決勝は12奪三振の活躍が光った。

 知念は準々決勝、春の九州王者・具志川商に九回2死から追い上げて逆転勝ち。主力打線の修正力や終盤の集中力には目を見張るものがあり、粘る攻撃は圧巻だった。技巧派右腕の垣花琉陽を擁した豊見城は、沖縄水産や興南など強豪を退け勝ち上がってきた。長打は少ないが小技を重ね、接戦を勝ち抜いてきた。好機に着実に加点した印象だ。

 練習不足にあっても最速140キロを超える投手も多かった。興南の山城京平やKBC未来の松竹嬉竜、宮古の新里勇人らはプロや大学のスカウト陣をうならせる好投を見せた。

■甲子園での100勝

 春の選抜大会を終え、県勢の甲子園通算成績は99勝83敗。夏の甲子園初戦は100勝目が懸かる。切符を手にした、沖尚の仲宗根主将は「偉業を成し遂げ、一戦一戦勝ち上がりたい」と達成する意気込みは十分。守備の連係や走塁も、県大会を通してよりレベルを上げた印象だ。隙のない守りから攻撃の勢いにつなげ、競った展開にも落ち着いたプレーを期待したい。全国高校野球選手権は8月9日、開幕する。
 (上江洲真梨子)


コロナ禍で超短期決戦 調整不足や球数制限に影響

 今大会は感染症の影響で、約2週間の超短期決戦となった。春の大会以降、対外試合が組めず、練習時間も制限付きと全体的に練習不足だったことは否めない。

 大会序盤には投手の調整不足が見受けられ、中継プレーやサインのミスもあった。2年前の1回戦(32試合)のコールドゲーム15に対し、今大会は1回戦(29試合)で21。練習が十分でない中、30度以上の炎天下での激戦。体の負担も大きく、足がつって一時中断する場面も多くあった。

 当初の予定から開幕が3週間遅れた。例年1カ月間の日程を約2週間に凝縮した分、投手の1週間500球の球数制限の影響も。

 準決勝に残った豊見城はエース・垣花琉陽が初戦から毎試合登板。3回戦の沖縄水産戦は、四回途中で雨天打ち切りとなり、再試合を含め計212球を投じ、準々決勝の興南戦で500球目前に迫った。七、八回は2死までを投げて外野に回り、再登板する策で乗り切った。