<五輪の県勢展望>自転車・新城は登りが鍵 ハンド東江、池原は組織力で対抗


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3大会連続で五輪に挑む自転車ロードレースの新城幸也

 東京五輪は21日から競技が始まり、23日に本格開幕する。県勢は過去最多の10人が出場するほか、親が県出身など沖縄にゆかりのある選手もいる。県関係選手の出場競技を展望する。

▽新城幸也・自転車男子ロードレース(7月24日、東京・武蔵野の森公園~静岡・富士スピードウェイ) 1都3県を横断するコースは総距離約244キロ。獲得標高(登った高さの累積)約4865メートルの過酷なサバイバルレースに約130人が挑む。中盤の富士山麓や終盤の三国峠での登りが勝敗を分けるポイントになりそう。ベルギーやイタリアなど最大5人の出場枠が与えられた強豪国はチームで走るため、優位に立つ。日本は3大会連続の出場となる新城と、登坂力に定評のある増田成幸のベテランコンビで戦う。新城はロンドンの48位、リオの27位を超えたい。

▽東江雄斗・ハンドボール男子(7月24日~8月7日、東京・国立代々木競技場) 6カ国の2グループで予選リーグを行い、上位各4チームが準々決勝に進出する。1988年ソウル以来の出場となる日本はリオ金メダルのデンマークと初戦でぶつかる。予選突破に向けては、比較的、均衡するポルトガル、バーレーン、エジプト戦でいかに白星を挙げられるかが鍵を握る。日本は小柄なため、好守とも組織力で戦う。攻撃の司令塔を担う東江がポストやサイドとの連係をどのように構築し、得点を重ねるか注目だ。

ハンドボール男子代表で攻撃の司令塔を務める東江雄斗

▽池原綾香・ハンドボール女子(7月25日~8月8日、東京・国立代々木競技場) 出場国数や予選突破条件は男子と同じ。76年モントリオール以来の出場となる日本は、熊本開催だった2019年世界選手権覇者のオランダと初戦で相まみえる。長らく世界と水をあけられてきただけに、初戦の内容がその後の試合結果を占いそう。男子と同じく小柄なため、守備では1人を複数人で守り、攻撃では素早い連係でかく乱したい。右サイドの得点源である池原は欧州経験が豊富なベテラン。プレーだけでなく、戦い方や精神面でもチームをけん引する。

▽渡名喜風南・柔道女子48キロ級(7月24日、東京・日本武道館) 両親が南風原町出身の渡名喜は5月のグランドスラム・カザン大会で4試合全て一本勝ちで優勝。日本のお家芸である柔道の初日に登場し、先陣を切っての金メダル獲得が期待される。

ハンドボール女子代表の得点源の池原綾香
柔道女子48キロ級の優勝候補筆頭に挙がる渡名喜風南