野ネコのふん、中身は何? 辺土名高校生が環境実践授業 捕食の脅威実感


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NPO法人どうぶつたちの病院沖縄の金城道男副理事長の指導を受けながら捕獲されたネコのふんを調べる生徒ら=6月29日、大宜味村の辺土名高校

 【大宜味】真剣なまなざしでピンセットを使い、ふんを分析する生徒たち―。世界自然遺産候補地に近い大宜味村の辺土名高校で6月29日、「やんばるの自然を守る取り組み」と題してNPO法人「どうぶつたちの病院沖縄」の金城道男副理事長による特設授業が開かれた。北部の自然を守るための課題について学び、村内で捕獲された野ネコのふんを分析する実践授業があった。

 金城副理事長は、環境科生徒全員を対象に講演。やんばる地域の動植物を紹介し、ロードキル、希少動物を補食する野ネコや外来種の問題を指摘。国の天然記念物ヤンバルクイナが一時減少したが、ペットの適正飼育やマングースの捕獲などの対策が進み、数と生息域が回復傾向にあることも図で示した。

 その後、環境科1年生15人は、金城副理事長の指導を受けながら、村内で捕獲された野ネコが何を食べているのかを調べるため、ふんを分析した。金城さんは、村内でヤンバルクイナが定着していないことを指摘し、一因として野ネコによる捕食などの脅威が考えられるという。

 生徒らは時折、臭いに耐えながらも乾燥したふんのを水で柔らかくしてふるいにかけ、内容物を分類した。その結果、草や昆虫などが出てきた。中には小動物の骨やアカヒゲとみられる鳥の羽毛も見つかった。

 授業に参加した牧野晴紀さんは「臭いがきつかったけど、いろいろ分析できた」と笑顔。松永花音さんは「動物の骨や歯がこんなに出てくるとは思わなかった」と野ネコによる捕食を実感している様子だった。

 金城副理事長は「生徒らは積極的に頑張っていた。野ネコが何を捕食しているのか分かったと思う」と話した。生徒らは今後も授業でふんの分析などを続ける予定。