新型コロナ対策 政策決定過程の透明化を IPPが沖縄県に提言書


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 新型コロナウイルス感染症対策を巡り、調査団体インフォームド・パブリック・プロジェクト(IPP)は県の政策決定過程について内外から検証できるよう透明化を提言するリポートを21日までに公表した。河村雅美代表が情報開示請求で入手した資料などを活用した検証結果として「県のコロナ対策は透明性がなく、政策決定過程にブラックボックスが存在しうる体制になっている」と指摘した。

 リポートは群星沖縄臨床研修センター長の徳田安春医師(臨床疫学)が監修し、2020年夏の第2波前後を例に、県の政策決定過程を整理している。対策本部会議や専門家会議などは全て非公開で議事録が作成されておらず、会議の内容や情報共有のあり方が不透明で第三者が検証できないと指摘した。

 県は「会議終了後の説明や毎日のブリーフィングをしている」として説明責任を果たしていると主張するが、河村代表は「議事録を作成しない理由にならない」と言う。事後の説明や議事概要では行政側が情報を選択し、報道を通じてさらに情報が取捨選択されるためだ。

 その上で「現在進行中の政策を妥当な科学的知見に支えられるものにするには、外部の意見が即時的に反映されるよう透明性がなければならない」とし、議事録の作成や会議、データの公開を提言。「情報公開は感染対策の一つで、政策決定過程の透明化が県民との信頼関係を構築する」と強調した。

 リポートが掲載されているIPPのウェブサイトはhttps://ipp.okinawa/2021/07/19/covid-19-report-okinawa/から。