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沖縄県民の家計の金融資産はどれくらい?貯蓄から投資へ バランスのとれた資産形成とは<けいざい風水>


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 日銀の資金循環統計(速報、2021年1~3月期)によると、わが国の家計が保有する金融資産の残高(21年3月末)は1946兆円となり過去最高を更新しています。また、2020年の家計の貯蓄率(内閣府の国民経済計算より)も11・3%と、26年ぶり(比較可能な1994年以降)の高水準となっています。

 わが国では金融資産を主に現預金で保有する形態が一般的ですが、日銀がまとめた日米の家計の金融資産構成(20年3月末)を比較すると、家計が保有する金融資産のうち現預金の割合は日本の54・2%に対し、米国は13・7%と全体資産の1割程度に過ぎません。一方、株や投資信託で保有する割合では日本が14・4%に対し、米国は50・8%と金融資産の半分以上を株などの投資商品で保有するなど、運用資産への投資が浸透しています。

 総務省が5年に一度まとめる全国家計構造調査(19年)によると、2人以上の勤労者世帯における金融資産のうち、有価証券(株式、債券、投資信託等)で保有する残高は本県が36万6千円(全国平均=92万5千円)と全国順位で42番目となっています。同残高が最も高いのは233万2千円の愛知県で、順に東京都(226万4千円)、神奈川県(213万5千円)が続きます。

 昨今の株高や投資ブームのなか、従来の貯蓄体質をから少しずつ投資へシフトする気運も高まりつつあります。将来を見据えバランスの取れた効率的な資産形成が大切です。

 (おきぎん経済研究所主任研究員 野原長武)