輸送時の温度追跡、劣化を分析 沖縄セルラー、イチゴ出荷でシステム販売


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美ら島ベリーに貼り付けた温度管理ができるシールタグ(沖縄セルラー電話提供)

 沖縄セルラー電話(那覇市、菅隆志社長)はこのほど、サトー(東京都)が開発した温度の追跡記録システムの代理販売を始めた。子会社の沖縄セルラーアグリ&マルシェが生産するイチゴ「美ら島ベリー」の出荷にシステムを導入しており、輸送時の品質劣化の原因特定に役立ている。

 システムはICチップと温度センサーが組み込まれたシールタイプのタグを商品に貼り付け、温度データを一定間隔で継続的にクラウドに記録する。連動するスマートフォンのアプリでデータを管理でき、タグは使い捨てで手軽に利用できる。タグに付いているバーコードをスマートフォンで読み取ると、読み取り地点の位置情報も記録される。

 海外輸出の拡大に力を入れる美ら島ベリーの出荷では、記録したデータを基に、KDDIが輸送時の温度変化による品質劣化の解析を担当する。出品から納品までの温度を管理することで、品質劣化があった場合に温度変化が起きた時間や場所を特定し、原因を把握できる。

 今後、温度変化による品質劣化を警告する機能も開発する予定。沖縄セルラーアグリ&マルシェの加賀武史常務は「これまで温度データが取りたくても取れなかった業者にも役立つ」と話した。