剣道男子は南風原制す 大将・太田が全国決める一本 県中学総体


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男子団体決勝 南風原―石田 大将戦でメンを狙う南風原の太田侑吾(右)=25日、那覇市民体育館(ジャン松元撮影)

 第48回県中学校総合体育大会は25日、県内各地で本格的に開幕した。初日は剣道や軟式野球、サッカーなどが行われた。剣道は団体、個人の決勝がそれぞれ行われ、男子団体は南風原が3―2で石田に、女子は浦添が3―1で南風原に勝ち全国大会出場を決めた。個人は嘉手納の男女同時優勝で、男子が山田翼、女子は竹下櫻咲が頂点に立った。団体優勝の南風原と浦添は九州大会と全国に、準優勝の石田と南風原は九州に出場する。個人戦は2位以上が全国、4位以上が九州大会への出場を決めた。

 男子団体決勝は、両者一歩も譲らぬ接戦が繰り広げられた。先鋒戦を石田に奪われた南風原だったが「前に詰め、相手の癖を早い段階で見極めて、仕掛けていこう」(太田侑吾主将)と声を掛け合いリズムを取り戻す。中堅も落とすが、次鋒の金城孝幸、副将の松門龍希が一本勝ちで戻し、星は並んで勝負は大将戦へと託された。「確実に決めないといけない」。南風原の大将、太田は重圧を感じながらも「きれいな一本で勝つ」と高ぶる気持ちで竹刀を握った。

 勝利の瞬間は一瞬だった。「序盤は押されていた」と攻め込む隙を冷静に見ながら、試合を組み立てる。にらみ合いは続いたが、相手が突然間合いを詰めてフェイントを仕掛けた瞬間、それをかわすようにしながら右から面を打ち込んだ。「芯からまっすぐ捉えられた」と思わず左手で小さく拳を握り叫んだのと同時に、審判3人が旗を上げた。自身でも大きな手応えのある一本だった。その後は、相手の攻めを最後までかわし、試合終了を告げるブザーを聞いた。

 仲間から託された勝利のたすきをしっかりたぐり寄せ「どこよりも練習をやってきた自信が、優勝につながった」と全員でつかんだ全国大会の出場切符に頬を緩めた。
 (上江洲真梨子)