県外からのコロナ移入例が増加、各地で市中感染も…宮古・石垣も増加傾向


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国際通り

 新型コロナウイルスの感染対策として、最も強い措置が講じられる緊急事態宣言中にもかかわらず、沖縄県内の新規感染者数が過去最多を更新した。自粛生活の長期化で県民の気持ちが緩んだ可能性があるほか、県外からの移入例の増加も影響し、県内各地で市中感染に近い状態になっているという。第4波以上の感染急増を懸念する県は、対策本部会議で新たな対応を検討する。 

 県内では7月以降、県外からの移入例の割合が増加傾向にある。13~19日は全体の陽性者に対して5%で、大型連休を含む5月4~10日の4%を超えている。県の専門家会議では、県外の観光関係者と県民の交流でデルタ株が拡大した事例も報告された。中部では日を追うごとに市中感染とみられる状況になり、27日の保健所管内別感染者は中部が153人と最多だった。県によると、感染が抑えられた宮古や石垣でも増加傾向にある。

 厚生労働省にビッグデータなどを提供する「Agoop(アグープ)」(東京)のデータによると、18日の国際通りの平均人出(午後3時台)は、緊急事態宣言が終了する予定だった11日の同じ時間帯と比較し、84・9%も増加した。県は最多を更新した354人の感染は19~21日の会食などが要因とみており、那覇市の人出の増加とも関連しているという。

 流行抑制に向けて、県はワクチン接種も対策の鍵とする。高齢者の2回目の接種完了が6割を超えるが、県内全世代の2回目のワクチン接種率は15・85%で全国最下位が続く。県によると、20~26日の1日平均接種回数は9500回。今後は、市町村に接種券の発送を促すとともに、県が運営する広域接種センターと併せて、接種率を伸ばしていく。