【識者談話】「ウィズコロナ」県の政策もう限界 接種急げ 徳田安春医師


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徳田安春医師(群星沖縄臨床研修センター長)

 感染拡大の最大要因は従来株の約2倍の感染力があるデルタ変異株の影響だろう。県は1年間、一定の感染を容認する「ウィズコロナ」で自粛と解除を繰り返してきたが、デルタ株が広がり政策の限界が見えた。

 今回のように感染者数が多いと、ある程度の強い自粛で抑え込む必要がある。昨年4~5月段階の危機感を思い出すべきだ。感染密度の高い地域では感染者を発見し、隔離する大規模検査も考慮してほしい。デルタ株は同居家族への感染率がかなり高いので、同居家族がいる感染者は原則として宿泊療養にするとよい。

 専用病棟とICUには比較的若い世代の入院割合が高い。今年1~2月は入院患者は高齢者だったが、今は30代~50代が多い。デルタ株の割合が増えている。

 沖縄は人口当たりの感染者数が全国最多グループだが、ワクチン接種率は全国平均以下。接種ペースの加速が大事で、福島県相馬市などの成功モデルを参考にするとよい。年齢層と居住地区で予定日を指定し、予約不要で接種できる方式などだ。大規模接種では市町村だけでなく、県のリーダーシップも不可欠だ。ボランティアも大量募集しペースアップしてほしい。
(群星沖縄臨床研修センター長)