職業訓練の受講生、前年の1.5倍に ハローワーク転職支援を強化


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ハロートレーニングで沖縄人材カレッジの研修を受ける求職者ら=26日、那覇市上之屋

 ハローワークで仕事を探す求職者を対象にした「ハロートレーニング(公的職業訓練)」の受講生が増加している。新型コロナの影響が長期化したことなどでキャリアチェンジを目指す人の増加や、受講対象の拡大などが全体を押し上げた。沖縄労働局(福味恵局長)によると、4~5月に開講した求職者支援訓練の受講者数は前年同月比1・5倍となった。今後、訓練コースをさらに増やし、求職者らの就職支援を強化していく。

 ハロートレーニングは、失業給付を受給しながら受講できる「公共職業訓練」と、雇用保険未加入や就職活動が長期化して失業給付が終了した人を対象とした「求職者支援訓練」の2種類がある。このうち求職者支援訓練は離職者のみが対象だったが、コロナ禍の特例措置として休業中の人やシフトが減少した労働者も受講対象となった。

 約25年間、専業主婦だった沖縄市在住の大城真弓さん(47)は6月に、沖縄タイム・エージェント(那覇市、沖縄人材カレッジ)が開講した訓練コース「介護福祉士実務者研修科」に応募した。「離婚を機に再就職を考えた。若いころに喫茶店でバイトしていた時期もあったが、再就職に必要なスキルや資格もなく大変だった」と振り返った。

 就職活動に取り組む中で、友人からハロートレーニングの参加を勧められた。「コロナ下で介護現場でもクラスターが起きているが、いろいろ考えるよりまず就職を一番重要視したい。自分の足元を固め、一から勉強して頑張っていきたい」と話した。

 沖縄労働局職業安定部の大山徹部長は「新型コロナの影響が強く、観光関連産業を中心とした求人は回復に時間がかかる。スキルアップやキャリアチェンジによる再就職を検討する求職者らに、ぜひハロートレーニングを活用してほしい」と呼び掛けた。

 ハロートレーニングはテキスト代を除いて無料となっている。詳細については近くのハローワークで。