高2自殺、部活顧問を懲戒免職「不適切な指導の結果、自死」 沖縄県教委


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沖縄県庁

 部活動の顧問から執拗(しつよう)な叱責(しっせき)を受け、1月に県立高校2年(当時)の運動部男子生徒が自ら命を絶った問題で、沖縄県教育委員会は29日、部活顧問の教諭(49)を懲戒免職にしたと発表した。処分は同日付。県教委は「精神的負担を与える言葉を用いて繰り返し叱責した。他の部員のミスであっても『キャプテンの責任』として叱責するなど、被害生徒に特に厳しく当たった。不適切な指導が繰り返され、精神的負担が累積した結果、自死した」と判断した。 

 学校による基本調査と、第三者調査チームによる詳細調査の後、県教委は4月中旬から5月末にかけて聞き取り調査を実施した。元教諭を含む学校関係者10人、生徒10人、その他関係者1人を調査した。

 「県教育委員会懲戒処分の指針」に基づき、「精神的負担を与える言葉を継続的に与えた」ことは「体罰」であると判断し、懲戒免職が妥当と結論付けた。
 県教委学校人事課の遠越学管理監は「処分をもって解決ではなく、再発防止に向けて県教委全体で取り組んでいく」と話した。

 「指導死親の会」共同代表の大貫隆志氏は「体罰という有形力の行使は目に見えやすいが、暴言は被害を数値化しにくい。県教委は、夜遅くまでラインで縛るなど、尋常ではないハラスメントなどを重く見たのではないか」と分析。「元教諭個人の責任で終わらせてはいけない。管理職や教育委員会の責任を問い、再発防止につなげることが大事だ。懲戒免職が出たからと言って一件落着とはならない」と指摘した。

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