女子円盤投げ・友利が会心の弧 45m40、フォーム修正し自己最高で頂に 全国高校総体


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女子円盤投げ決勝 45メートル40の記録で優勝した那覇西の友利晟弓=30日、福井市の9・98スタジアム(ジャン松元撮影)

 友利晟弓が3投目に放った円盤は向かい風の中、ぐんぐん伸びた。「指に引っ掛けていた円盤がスムーズに離れてくれた。飛んだという手応えのようなものはなく、風に乗ってくれた」。記録は自己ベストとなる45メートル40。「どんな結果でも決勝は楽しくやろうと臨んだ。予選とは雰囲気が違って緊張したけど、ベストを出せて本当にうれしい」と満面の笑みだった。

 回転力を駆使し、ギアを上げていくように加速し、最速地点で円盤を放つ力強いフォームだった。放つ瞬間の上半身の反りで、円盤にさらに力を加えた。激しい動きで鉢巻きが外れ、「前に落ちていたらファウルだった。助かった」と安堵(あんど)も。

 向かい風を攻略するために低めを意識して臨んだ1投目は、右にそれてファウル。緊張もあったと言い「最初のターンで体が浮いてしまい、腰のひねりもなかった」。1投目から43メートル台を記録する選手が2人いて「全国はすごいなと思った。けど、気持ち的な焦りはなかった」と気負わず、フォームをうまく修正し、結果につなげた。

 「3月の記録会で45メートル27を出して以来の自己ベスト。伸び悩みもしたけど40メートル台を安定して出せていたので、今日は狙えるんじゃないかと思っていた。昨日は雨で、今日は天気と風に恵まれた」と最高の笑顔で大会を締めくくった。

 (大城三太)


向かい風との戦い 赤嶺監督が支える

 慣れない向かい風と戦った友利を支えた赤嶺永哲監督。「なかなかない」という予選、決勝の1投目でのファウルに緊張や不安を感じ取っていた。低く投げようと意識し過ぎてフォームが崩れ気味となったことに「高さは気にせず、フォームを意識して」と助言した。「きちんと自分で考えて修正してくれた」と成長した姿を誇った。

 昨年は全国総体の代替と位置付けられた全国高校大会で優勝。ただ、全国総体制覇を大きな目標に置き、ともに冬から準備してきた。「彼女がそれなりの努力をしてきたからこそ結果につながった」と日々の地道な積み重ねを評価した。


 全国高校総合体育大会・北信越総体第6日の30日、陸上女子円盤投げで友利晟弓(那覇西2年)が45メートル40の自己新で優勝した。友利の全国優勝は伊良波中2年だった2018年のジュニアオリンピック、20年10月の全国高校陸上に続いて3度目。外間結希乃(与勝2年)は12位だった。男子5000メートルの上原琉翔(北山3年)は31日の決勝への進出を決めた。弓道女子団体予選で首里は11中で決勝トーナメント進出を決めた。ソフトテニス男子個人の與那嶺雄一郎・平良悠翔(名護)、福地想楽・花田悠馬(同)は3回戦で敗れた。