沖縄・奄美の世界自然遺産登録決定に合わせて、沖縄県と鹿児島県が7月26日にユーチューブでライブ配信した「世界自然遺産登録視聴会」。欧州で開かれた世界自然遺産委員会の配信映像を取り込み、さらに登録対象地など県内外にある視聴会会場をつないで同時配信する取り組みに、NTTドコモの第5世代(5G)移動通信システムと、LTEネットワークとライブ配信クラウドサービスが使われた。同社の担当者は「5Gとクラウドを使って多拠点を結ぶ取り組みは、県内で初めてだ」と話す。
視聴会は両県庁をはじめ、本島北部3村の関係者が集う国頭村のくにがみ屋内運動場、東京都の環境省本省など8つの会場をオンラインで結んだ。離れた場所にいながらも登録決定の瞬間を一緒にオンラインで視聴し、喜びを分かち合う様子をライブ配信した。
同社は那覇市銘苅のドコモ5GオープンラボOKINAWAを統制拠点に設定した。同社の5G/LTEネットワーク、ソリトンシステムズが提供するライブ映像配信クラウドサービス「クラウドビデオ・スイッチャー」、シスコシステムズ社が提供するウェブ会議ソリューション「ウェベックス」を組み合わせたネットワークシステムを構築。会場に設置した専用映像伝送機器とウェベックスを用いて各地の状況を大型モニターへ投影すると共に、スイッチャーを使用してユーチューブライブへもライブ配信した。
NTTドコモ沖縄・奄美世界自然遺産推進担当の谷口崇士部長は、新型コロナウイルスの影響で生活や通信環境が変化する中、今回のようなライブ配信は少ない機材とシステムで利用できるとし「今の時代にフィットしている。今後、ニーズや可能性は無限に広がる」と期待を寄せた。