防衛省は1日、米軍普天間飛行場の移設先、名護市辺野古の埋め立て予定海域でのサンゴ移植に関し、沖縄県が移植許可を撤回したことを不服として、対抗措置として、行政不服審査法に基づき、2日にも農相に取り消しを求め審査請求する方針を固めた。関係者が明らかにした。
審査請求の裁決が出るまで許可撤回の効力を止める執行停止も同時に申し立てる。効力停止が決定された場合、防衛省沖縄防衛局は早期に移植を再開し、移設工事を進める構え。
サンゴ移植を巡っては、国を相手取った訴訟で敗訴が確定した県が7月28日、移植を許可。サンゴの生存率を高めるため高水温や台風の季節を避けることなどを条件とした。
防衛局が29日に移植を開始すると、玉城デニー知事は水温が高く台風襲来が見込まれる時期の作業との認識を示し、「生残率を低下させる行為で水産資源保護法の趣旨に反する」として30日、許可を撤回した。
(共同通信)