在沖外国人は1万9839人 入国制限で10年ぶり減 2020年末


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
那覇の空撮

 南西地域産業活性化センター(NIAC、大嶺満会長)は3日、県内の在留外国人動向を分析したリポートを発表した。2020年末の県内在留外国人は、19年末比1381人(6.5%)減の1万9839人で、2010年以来10年ぶりに減少した。新型コロナウイルス感染対策として、外国人の新規入国を制限した影響が現れた。

 国籍・地域別では、ベトナムが前年末比31人(1.0%)増の3054人と唯一増加した。技能実習生が多く、20年初めの入国規制が始まる前に建設業を中心に入国があったとみられる。中国は同228人(8.0%)減の2624人、米軍関係を除く米国が同88人(3.4%)減の2519人、ネパールが同550人(19.7%)減の2247人となった。

 在留資格別では、永住者が同105人増の5375人、技能実習が同141人減の2978人だった。留学は同1076人減の2504人となった。通訳や語学教師などの技術・人文知識・国際業務は、同195人減の2343人となった。新たな在留資格の「特定技能」は167人だった。

 政府が19年に創設した特定技能は20年3月末の66人から、21年3月末は233人と3.5倍に増加した。技能実習からの移行も多いという。特定技能の分野別では、飲食料品製造業が89人、農業が85人、介護が21人と続いた。国籍別ではインドネシアが77人、ベトナムが71人、カンボジアが38人だった。

 県内で外国人労働者を雇用する事業所は20年10月末時点で2371カ所あり、前年同時期に比べ430カ所(22.2%)増加した。

 金城毅上席研究員は、コロナ禍収束後には経済活動の回復によって再び深刻な人手不足となることが予想されるとして、「コロナ禍で在留外国人への救済措置が行き届かないなど、公的な支援体制に不十分な点も見られた。外国人を労働力としてだけではなく、生活者として受け入れて共生できる社会を形成していくことが必要となる」と指摘した。