1日に確認される新型コロナウイルス感染者数が300~400人を超える日が続き、医療現場の逼迫(ひっぱく)度合いが一層深刻化している。コロナ患者の増加に備えて確保している病床数は「第4波」を上回る状況になり、今後も拡大が続けば、残りの限られた病床があっという間に埋まる可能性があり、逼迫への懸念が強まっている。
3日時点の県内のコロナ患者向けの確保病床数は716床、入院患者数は531人で、病床占有率は74.2%となった。病床占有率の分母は感染状況によって変動してきたが、県によると、既に「病院側も無理をして確保している状況」が訪れている。
県は7月19日にあった病院長会議で、現在の「第5波」の流行拡大に備えて「第4波」と同程度の病床確保について協力を呼び掛けた。第4波では入院患者の増加に伴い最大で713床までベッドを確保したが、今月3日時点でそれを上回る状況になった。
入院患者のみならず、ホテル療養や自宅療養、療養先を調整中の患者も膨れ上がっている。県は血中酸素濃度を測れるパルスオキシメーターを自宅療養中の患者に貸し出しているが、5月7日から7月31日までに貸し出した2234個のうち1308個が返却されていないという。今後も自宅療養者が増える見込みで、県は早めの返却を呼び掛けている。