西原に放置の医療廃棄物10トン、県が処分の代執行 費用は3業者に請求


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 県は3日、西原町小那覇に長期間、不適正に保管されていた医療系廃棄物約10トンを処理する代執行を始めた。専用容器に移し替えて県外に搬出する。費用は約850万円が見込まれ、不適正保管していた産業関連業3社に請求する。

 廃棄物は、工場などが立ち並ぶ地域の空き地にコンテナに入れて実質放置されている。2014年に通報で発覚し、県が調査すると29基のコンテナに医療系など廃棄物が詰められていた。うち25基が医療系だった。コンテナは12年から放置されており、腐食が始まっている。

 県は関係者への聞き取り調査を経て18年に内容物調査を行い、生活環境の保全に問題があるとして昨年1月、産廃業者に撤去するよう措置命令を出した。業者は対応せず、廃棄物を排出した医療機関が今年110トンを自主撤去した。医療機関は産廃業者に処理を委託した際にも料金を支払っており、二重払いとなった。

 県は医療機関が費用を負担しきれず、残ったコンテナ1基10トン分を代執行した。中身は薬品容器や点滴のチューブ、注射器、注射針など。感染や外傷の危険があるため周辺は鉄板とブルーシートで養生し、防護服の作業員が約1週間をかけて容器に詰め替え、搬出する。

 担当する県環境部環境整備課の比嘉尚哉課長は「一義的には産廃業者の問題だが、廃棄物を排出する側も業者の選定や廃棄物がきちんと処理されているか確認してほしい」と話した。