辺野古のサンゴ、国が移植再開 県の許可条件に反し強行


この記事を書いた人 Avatar photo 米倉 外昭
普天間飛行場移設に伴う新基地建設の現場=名護市辺野古、6月

 名護市辺野古の新基地建設に伴うサンゴ移植で、農相が県の許可撤回を執行停止したことを受けて、沖縄防衛局は6日、埋め立て区域内外で移植を再開した。県は同日、サンゴの生残率を高めるため台風期の移植回避など許可条件の順守を求める行政指導を出した。

 沖縄近海には6日、台風が接近しており、同日の移植作業は許可条件に反する。目撃者によると6日午後、辺野古崎南側の移植予定水域で潜水作業などが確認された。沖縄防衛局は本紙取材に「具体的な作業内容は安全確保の観点から回答を控える」とした。

 玉城デニー知事は6日夜、報道陣に「対応は庁内で協議していきたい」と答え、県が付けた条件を顧みない政府に「それを県民がどう見るかだ」と述べた。

 農相は防衛局が請求した撤回取り消しについても審査しており、県は6日、主張をまとめた弁明書を提出した。県は7月30日、許可条件を防衛局が守っていないとして移植許可を撤回。防衛局は8月2日、審査請求と執行停止を農相に申し立てた。農相は5日、執行停止を認めて県の撤回の効力を止め、移植ができる状態が復活していた。