「空手発祥の地・沖縄」生かした観光振興に 経済界からも祝福の声相次ぐ


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 経済界からも喜友名諒選手の快挙を祝福する声が相次ぎ、「空手発祥の地沖縄」を生かした空手ツーリズムの拡大など、新型コロナウイルス収束後の観光振興にも期待を膨らませた。

 沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長は「喜友名選手のこれまでの努力と、佐久本嗣男先生はじめ多くの方々の取り組みに敬意を示したい」と県勢初の金メダル獲得を喜び、「空手が沖縄文化を代表する一つであることを国内外に印象付けた。世界の空手愛好家は1億3千万人に上ると言われ、新型コロナ収束後には、発祥の地である沖縄に直接足を運んでほしい」とアピールした。

 東京五輪の空手形競技を、沖縄に開催誘致しようとした経緯もある。前県経営者協会会長の安里昌利氏(現・那覇空港ビルディング社長)は2016年に、当時の翁長雄志知事を会長とする誘致実行委員会による国への要請に同行した。沖縄での開催はかなわなかったが、安里氏は「世界に沖縄を発信し、沖縄の発展に大きく貢献してもらった。県民に大きな感動と勇気を与えた」と喜友名選手の偉業をたたえた。

 空手専門の旅行会社Ageshio Japan(那覇市)は、沖縄を訪れる空手家に、県内道場での稽古を組み合わせた観光メニューを提供している。コロナ禍で海外からの渡航は途絶えているが、同社はビデオ会議システムを使って沖縄の道場から指導を受ける機会を提供している。

 上田健次郎社長は「発祥の地の選手が世界一になることはとても意味がある。空手イコール沖縄というイメージを世界全体にアピールしてくれた」と語った。