子どもの面倒誰が見る…家庭内感染で親は悪化し入院、孫の看護「私が見るしか」


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 沖縄県内では、20~40代の子育て世代で新型コロナウイルスの感染が急増している。親の病状が悪化し、入院や療養ホテルに入る場合、子どもの預け先に困る事例が増えている。

 うるま市在住の60代女性は、7月末に息子夫婦と孫娘が感染した。嫁は入院し、息子は生後11カ月の孫娘と療養ホテルに入った。看護師からは息子も入院する場合、陽性と判明した孫娘を祖母である女性が看護することになると伝えられたという。7日現在は親子で入院する方向で調整が進んでいるが、女性は「息子夫婦の命を守るためにも、感染している孫娘を私が見るしかないと覚悟した」と、不安な胸の内を明かした。

 息子夫婦は、大人数による会食で感染した。嫁の呼吸不全は重く、病院側から人工呼吸器をつける可能性があると説明された。ホテル療養の息子は熱やせきで苦しみながら、母親がいない寂しさでぐずり続ける孫娘の面倒を見ている。幸い、孫娘の病状は落ち着いているが、直接授乳で育てているため、ほ乳瓶を受け付けないという。女性は「息子夫婦だけでなく、孫娘の栄養状態が心配」と語る。

 「もし、孫娘を預かるとしたら」という不安は今もある。ワクチン接種は1回のみで、2回目は来週以降だ。ほかの息子や娘も子育て中で頼ることはできない。仕事をする夫も濃厚接触者になるため働けなくなる。女性は息子家族の病状だけでなく、今後のことで頭がいっぱいだ。

 感染急拡大や医療体制が厳しいと知りつつも「県は小さな子が親と離ればなれにならないような医療体制をつくってほしい」と訴え、県民には「小さい子がいる家庭が感染したら、このような状態になることを知ってほしい」と感染予防を呼び掛けた。