沖縄で小児の入院が急増 7月は28人で6月の2倍 陽性の親悪化で受け入れも


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 新型コロナウイルスの変異ウイルスデルタ株の流行に合わせて小児(0~15歳)が入院する件数が急増している。本島中南部地域では7医療機関が小児患者を受け入れている。肺炎などで入院した人数は4月2人、5月8人、6月15人、7月28人、8月は6日時点で9人と増加しており、小児医療体制も逼迫(ひっぱく)している。

 県立南部医療センター・こども医療センター小児感染症内科の張慶哲医師によると、家庭内で感染が起きた場合、子どもが陰性なら児童相談所で預かるケースもあるという。また、親子共に陽性で親の症状が悪化した場合は、子どもが無症状であっても療養先がなければ、入院として受け入れざるを得ないこともあるという。

 重症患者の受け入れは、同センターの小児集中治療室(PICU)の8床のみだが、RSウイルス感染症など別の重症患者も受け入れる必要がある。最近では基礎疾患のある乳児が重症化して入院。張医師は「コロナ陽性者が1人入院するだけで医療への影響は大きい。小児用のコロナ病棟の確保が必要だが、人員が限られており難しい」と話した。

 小児の医療体制を維持するためには「感染経路の7割以上が家庭内。親子で入院する場合は病床確保が難しい。親世代は感染対策と、ワクチンを接種して子どもを守ってほしい」と強く呼び掛けた。