開催中の東京大会を含め、これまで五輪に出場した県勢は計27人。1972年のミュンヘン大会で、陸上男子三段跳びの具志堅興清とボクシング男子ライトフライ級の新垣吉光が県勢初のオリンピアンとなった。それから49年の時を経て、ついに初の金メダリストが誕生した。
今回の東京大会開幕まで夏季、冬季を通じて金メダル獲得選手がいないのは沖縄と鳥取のみだった。3日のボクシング女子フェザー級決勝で鳥取県出身の入江聖奈(日体大)が金メダルを獲得。喜友名の優勝で沖縄にも金メダルがもたらされた。
76年モントリオール、80年モスクワを除き、84年ロサンゼルス大会以降は毎大会、選手を輩出してきた。初の入賞者はロス大会重量挙げ男子67・5キロ級で5位に入った平良朝治。メダリストは92年バルセロナ大会の体操男子で、ともに興南高出の知念孝と松永政行が団体で銅を獲得。松永は同大会の種目別平行棒でも銅を獲得している。今回の東京大会ではレスリング男子グレコローマンスタイル77キロ級の屋比久翔平が銅を獲得した。
最多出場者は2012年ロンドン大会から3大会連続で自転車男子ロードレースに出場した新城幸也。2大会連続は平良朝治(84、88年)、近代五種の泉川寛晃(84年、88年)カヌーの當山克也(88年、92年)、重量挙げの吉本久也(96年、2000年)、糸数陽一(16年、21年)。
過去には、戦前に陸上男子円盤投げの日本記録を3度更新した宮城栄仁が、戦争で中止となった1940年の東京大会で当時代表入り確実と目されていた。「幻の沖縄初オリンピアン」として語り継がれる。
27人の県勢オリンピアンのほか、県関係では52年ヘルシンキ大会では両親が沖縄出身であるハワイ2世のヨシノブ・オヤカワが競泳男子100メートル背泳ぎで金を獲得。84年ロス大会では同じく両親が沖縄出身で、大阪生まれの具志堅幸司が体操男子総合の金を含め、金二つ、銀一つ、銅二つを獲得している。