久高島で女性手作りの島おこし 特産ムギでお守り「ガンシナ注連七輪(しめなわ)」


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会話しながらガンシナ注連七輪作りに励む、久高島結回の会の女性たち=7月14日、南城市知念久高島の西銘照子さん宅の庭(提供)

 【久高島=南城】神の島と呼ばれる南城市知念久高島で地域を盛り上げようと、女性たちが「久高島結回(ゆいまある)の会」を設立して活動しており、注目を集めている。島で製塩会社「海連」を営む西銘喜久さん(62)を会長に、3年前に地元女性を中心に発足した。南城市佐敷津波古区で6年間にわたって「花咲かす会」の会長を務めた古堅苗さんを副会長に、池間喜久恵さん、鶴田尚子さんらが参加して活動を進めている。

 2年前には会員の古堅宗義さんが、久高区から2640平方メートルの神地を借り受けて耕した。ムギの種をまいて収穫した後、みんなで「ガンシナ注連七輪(しめなわ)」作りに取り組んできた。水の乏しい久高島で女たちが毎日の水くみをする際に、頭に乗せて身体を守り安定させたのがわらで編んだ丸い形のガンシナ。神とつながる民具から生まれたお守りとして「久高島のガンシナ注連七輪」が誕生した。

ガンシナに久高島特産のムギ束を付けた飾り用の注連七輪

 島の空き家を借りて作業場に活用した。会員が集まって会話をしながら、月桃やレモングラスなどを使いガンシナ注連七輪作りに励んでいる。海水を温めた湯に両足を浸して疲れを癒やすほか、10時になると副会長の苗さんがお茶とお菓子を準備してくれる。

 会員12人のほとんどが1人住まいの女性たち。ガンシナ作りを通して集い、会話することで島の人たちに元気をもらい、喜ばれている。県からも支援を受けて取り組んでいる。

 「久高島結回の会」では鶴田さんが中心となって、会員たちがムギ巻からムギ踏み、収穫、ガンシナ注連七輪作りに励む様子をまとめて本2冊を出版した。1冊千円で販売して、活動資金づくりをしている。

 同会ではより島おこしに力を入れようと「五穀発祥の島、久高島のハタス(畑)で一緒に汗を流しませんか」と第1期サポーターを募集している。問い合わせは久高島結回の会(海連内)(電話)090(7985)4337。
 (知花幸栄通信員)