「役に立ちたい」高校生3人がフードドライブを呼び掛けた 301点の食料を寄贈


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【糸満】向陽高校3年生の我謝桃子さん(17)ら3人は困窮する人の力になりたいと、食料を集め寄付するフードドライブに取り組んだ。全校生徒や教職員に呼び掛け、7月20日からの10日間で301点の食料品や日用品が集まった。同月30日、我謝さんらは「コロナ禍で職を失った人などに届けてほしい」と糸満市社会福祉協議会に寄贈した。

食料品などを徳元孝進会長(右から2人目)に手渡す(左から)向陽高校の金城菜央さん、新田清崇さん、我謝桃子さんら=7月30日、糸満市社会福祉協議会

 我謝さんはコロナの影響で失業した人などの姿をニュースで見て心を痛めた。「役に立ちたい」と思い、3年1組のクラスメートにフードドライブを呼び掛けた。我謝さんの提案に新田清崇さん(18)と金城菜央さん(18)が賛同し、協力した。

 3人は「常温保存ができ、未開封で賞味期限2カ月以内のもの」を条件に校内にフードボックスを設置した。

 3人の活動はクラスだけにとどまらず学校中に広がり、缶詰やレトルト食品、乾麺などの食料品の他、歯ブラシやトイレットペーパー、シャンプーなどの日用品も集まった。3人は糸満市出身であることから、同市に寄付することを決めた。

 寄贈の日、我謝さんら3人は市社協を訪ね、「生まれ育った糸満市で、コロナに困っている人に活用してほしい」と託した。

 寄贈を受けた市社協の徳元孝進会長は「弱い立場の人が暮らしやすい社会が最も暮らしやすい社会だ。みなさんの思いを受け、必要とする人に届けたい」と感謝した。