【深掘り】「今のオール沖縄はばらばらだ」那覇市議会与党、大同団結ならず


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那覇市議会の入る市庁舎

 4日から新たな任期が始まった那覇市議会で、立憲民主党の市議3人のうち、新人の與儀喜邦氏と普久原朝日氏が与党会派「ニライ」を抜け、昨年ニライを離脱した上原快佐氏(社大)と新会派「立憲民主・社大」を結成した。立民の清水磨男氏と社大の平良識子氏はニライに残るため、昨年の社大分裂に続き、立民も所属議員の会派が分裂する事態となった。

 立憲民主・社大のメンバーは「今後も与党同士で連携する」と強調するが、ニライ側は不快感を示しており、市政与党内のわだかまりも鮮明となっている。

 ニライは共産党を除く「オール沖縄」勢力の市議が党派を超えて結成し、昨年の11月定例会までは最大会派だった。だが、副市長に平良氏を充てる人事案が提出されたことに上原氏らが反発し、ニライを離脱した。今年7月の市議選後、ニライの市議は再び「大同団結」を目指して上原氏に戻るよう働き掛けたが、上原氏は断ったという。

 一方、立民は市議選で3人が当選した。與儀氏は「当初は立民の3人で会派を組んで(党の)名前を出したかったが、できなかった。オール沖縄で連帯してニライで一つになろうということだったが(上原氏を除く)8人になってしまった」と話し、上原氏1人を除いた「大同団結」に納得しがたかったことを示唆した。上原氏は「どちらから誘うでもなく、3人の思いや方向性が一致した」と話した。

 ニライに残された清水氏は「ニライの8人で合意したことを合理的な説明もなく、くつがえされた」と憤る。普久原氏は「(説明が)不十分だった点は申し訳なかった」と話した。

 一方、市議選を経て最大会派となった野党・自民党のある市議は「今のオール沖縄はばらばらだ」と喜ぶ。「衆院選や来年の市長選で追い風になるだろう」と期待した。

 (伊佐尚記)