ワクチン接種率高いほど感染減 沖縄の26市町村を分析 県疫学統計委調査


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新型コロナウイルスワクチン接種(資料写真)

 新型コロナウイルスに関する県疫学統計・解析委員会は9日までに、人口5千人以上の26市町村のワクチン接種率と人口10万人当たりの感染者数を相関図にまとめ、発表した。両者には逆の相関が見られ、ワクチン接種率が高いほど感染者数が少ないことを示した。県の糸数公医療技監は「ワクチン接種が感染者を減らす有効な手段であることが示唆されている」とコメントした。

 データは7月26日時点で2回の接種を完了した20歳以上の割合と、6月26日~7月25日の人口10万人当たりの感染者数を使用した。接種率40%を超えた2自治体は、感染者が人口10万人当たり50人未満と低い数値を示す一方、接種率20%未満の10自治体は感染者数が100人を超えた。

 疫学統計・解析委員会は「デルタ株(インド由来の変異株)の基本再生産数が5・0であるとすれば、集団免疫のためには80%以上の接種率が求められる。しかし、30%でも40%でも接種率を上げていくことで、地域流行の規模は縮小するものと期待される」と解説した。

 高齢者、糖尿病や肥満など重症化リスクの高い人々、医療介護従事者への接種徹底を求め「次いで、活動性が高い若者世代、集団生活をしている人、他人と接触頻度の高い職種の人たちへの接種を進めてほしい」と、接種の優先順を示した。