感染の急拡大に歯止めがかからず、中等症患者は連日最多を更新し、病床の逼迫(ひっぱく)は深刻度合いを増している。自宅療養患者は2090人に上り、県の糸数公医療技監は「これまでにないペースで増えてきている」と強い危機感を示す。
県によると、9日の本島内の病床占有率は、重症が77.3%、中等症95.6%、軽症93.5%。中等症は478人と最多を更新し、重症者も前日より1人増えて16人となった。糸数医療技監は「入院が必要な人が病院やホテルになかなか入れない状況になっている」と説明。「(自宅療養が)先週以来500~600人台で出ている。東京だと5千人~6千人。若い人が多い」と規模感を示し、急激な増加を懸念した。
県は、軽症者用の宿泊療養のホテルを8月12日から1施設100室増やし、7施設にする。ただ宿泊療養は、医療行為の必要ない軽症者を対象にしている。県は、在宅で酸素吸入ができる酸素濃縮器を配布する対応をとっている。
入院待機ステーションの受け入れは最大20人が可能だが、マンパワーの関係で最大10人程度にとどまる。県は9日現在、県外から看護師30人を受け入れる。糸数医療技監は「スペースに拡張する余裕はあるが、拡張できるかは、マンパワー確保にかかっている」とし、さまざまなルートで医療人材の確保を急ぐと述べた。