「えっ、北谷で海辺の生物調査?」と思われるかもしれません。新しい街のイメージが強いかもしれませんが、北谷には人の手によって創出された自然、昔から変わらない自然と、さまざまな自然があります。
さかのぼること約2500年、縄文時代には北谷の海岸線は現在の国道58号より内陸側にあったことが発掘調査で分かっています。その後、海砂が自然に堆積して海岸線は沖に向かって広がり、国道58号はそのそばを通っていました。
1970~80年代に埋め立て事業が行われ、現在多くの人でにぎわう宮城区や美浜区ができ、人工海岸が造られました。一方、嘉手納町と接する砂辺区には100年以上前、1919年の地図と変わらない自然海岸が残されています。
このような海辺でどのような発見があるのか、楽しみです。
(北谷町教育委員会学芸員 藤彰矩)
北谷町の海辺の調査に合わせて、豊かな海に支えられてきた地域の歴史や、調査で見つかった生き物を連載で紹介する。10月まで毎週火曜日に掲載。