県疫学統計・解析委員会の高山義浩医師(県立中部病院)は11日までに本紙の取材に応じ「より質の高い分析が行われていないとの指摘については、毎週の速報レベルでは困難だ」と述べた。「データの集計だけでなく、現場への聞き取りや支援活動を通じて確認した事を踏まえてリポートをまとめている」とも説明した。
その上で「データだけで論じるべきとの意見もあるだろうが、複雑なパンデミックの解明には、確立された理論も手法もない。多様な方向から検討すべきだ」と強調。「より質の高い分析は研究者が論文として発表すべきもので、毎週の疫学リポートの役割ではない。データを広く公表して、市井の研究者らを動員しながら質の高い分析が行われることを期待する」と語った。
今回意見書を出した徳田安春医師(群星沖縄臨床研修センター)は「われわれは、毎週のデータで質の高い分析をすべきと述べたのではない。データ分析から科学的に推論されていない事まで言及しているのが問題だと指摘している。多様な方向から検討すべきなのは確かだが、感染症疫学には理論も手法もある」と語った。