24日に開幕する東京パラリンピックに向け、聖火の種火をつける採火が12日、県内でも始まった。新型コロナウイルスの感染防止のため、各会場では関係者のみが出席する中、静かに採火し、大会の成功を願った。
那覇市では国指定重要文化財「新垣家住宅」の登り窯「東(あがり)ヌ窯」で採火をした。同市出身でボッチャ日本代表の経験もある金城歩未さん(24)が窯からランタンに火を移し「成功するように選手を応援したい」と話した。
与那原町では島袋瓦工場で行われた。島袋義一社長らが焼成窯から採った火を喜屋武久信さん(68)=同町=のランタンにともした。2018年の全国障害者スポーツ大会で、ソフトボール投げ全国6位の喜屋武さんは「世界的なスポーツの祭典の採火に参加でき光栄だ」と喜んだ。
糸満市摩文仁の平和祈念公園では、金城弘享(ひろゆき)さん(20)=同市=が平和の広場中央にある「平和の火」から採火した。耳と喉に障がいがある金城さんは小学6年から卓球を始め、県高校総体にも出場した。「日本代表選手には一生懸命に戦ってほしい」と期待した。
1964年の東京五輪で聖火の宿泊地となった名護市嘉陽の聖火宿泊碑聖火台では、64年に聖火ランナーを務めた仲村民博さん(74)=同市=が聖火台から火を移した。仲村さんは「今度はパラリンピックに関わることができた」と顔をほころばせていた。