配信限定で大反響「千年花火」をCDに 美しい三線の音、福田八直幸「新たな沖縄ポップスに」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
初CDシングル「千年花火」をリリースした県出身シンガーソングライターの福田八直幸(提供)

 沖縄市出身のシンガーソングライター福田八直幸(やすゆき)の初CDシングル「千年花火」(フリージアレコード)が10日、発売された。松井五郎作詞、都志見隆作曲・編曲の恋歌「千年花火」や、福田作詞作曲の「僕の胸でおやすみ」など計4曲を収録した。福田の寄り添うような三線の音色と情感豊かな歌唱を響かせ、美しいポップス作品に仕上がっている。

 「千年花火」は、2020年7月に配信限定でリリース。これを機に多くの反響が寄せられ、満を持してCD化が実現した。解説で松井氏は「彼の歌った『千年花火』を聴いた時、この歌は彼にたどり着くために生まれてきたような、そんな気がした」とコメントしている。福田は「歌やメロディー、表現など全てが覆されるような大切な曲になった。人に何を届けたいか、ということをすごく教わった。受け継いだ曲に込められた思いをいかに届けられるのか自分のテーマだ」と力を込めた。

 2曲目の「僕の胸でおやすみ」は故郷を離れて暮らす人々への応援ソング。「コロナ禍であるがゆえに、いろんなことを考え、複雑な思いを込めた。悲しさや苦しい思い出も、島を飛び立つ時は、すべてのことが美しい思い出になる。沖縄の自然や風土で感じるものを、どうすれば歌になるのか探った」と制作を振り返った。

「千年花火」のジャケット写真

 高校生の時、知名定男の「バイバイ沖縄」のレコードを聴いて三線を始めた。琉球古典音楽や琉球箏を学び、琉球音楽協会師範としての顔を持つ。2019年、作詞作曲のソロ活動を始め、精力的に作品を発表している。福田は「新しい沖縄のポップスという歌を作り上げたいという思いがすごくある。音楽から離れた時期もあったが、どういう形であっても、好きなものはずっと続けていくということが答えになってくると思う」と前を向いた。

  ◇  ◇  ◇

 CDは全4曲収録。価格は税別千円。県内のCDショップや全国のわしたショップで予約取り寄せができる。各音楽ダウンロードサービスからも購入できる。