飛行停止に応じない米軍…オスプレイ部品落下 普天間所属機の事故、6月以降頻発


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部品落下が明らかになった13日も夜間飛行が確認されたMV22オスプレイ2機=13日午後10時37分ごろ、宜野湾市の米軍普天間飛行場

 米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが飛行中に部品を落下させていた事故に対し、県は週明けにも関係機関に抗議する方針を固めた。沖縄国際大ヘリ墜落事故から17年を迎える中で起きた航空機事故に対し、玉城デニー知事は「普天間飛行場の現状が当時と全く変わっていないことを如実に示している」と強調。同飛行場の早期の危険性除去と閉鎖・返還を改めて主張した。

 6月以降、普天間飛行場所属機の事故が立て続いている。県は原因究明までの飛行停止などを繰り返し求めてきたが、米軍は十分に応じぬまま事故が繰り返されている。

 6月2日にうるま市津堅島でUH1Yヘリが不時着し、7月13日には渡名喜島沖でCH53E大型輸送ヘリが軍事用コンテナを落下させる事故を起こした。7月27日には、給油目的で訪れた宮崎県の航空自衛隊新田原基地を離陸し、普天間飛行場に向かっていたAH1Z攻撃ヘリが、宮崎県串間市の農地に不時着した。

 津堅島の不時着について、米軍は「飛行中にエンジンの回転数にかかるセンサーが反応したための予防着陸」と説明し、事態の重大性を否定した。県は在沖米海兵隊に同型機の飛行中止を求めたが、海兵隊は「特定の機体の問題で、同型機全体の問題ではない」と拒否した。

 渡名喜島沖のコンテナ落下事故は、原因が明かされないままだ。県は在沖米海兵隊に原因究明までのつり下げ訓練・輸送を要求したが、「練度維持に必要」として応じなかった。

 いずれの際も県への一報に時間を要し、迅速な情報提供も要求している。今回のMV22による部品落下事故も、米軍は12日午後9時半に発生を確認していたが、沖縄防衛局を通じて県に連絡が入ったのは翌13日の午後5時半ごろだった。

 玉城知事は14日に発表したコメントで「危機管理の観点から、通報体制は不十分で大変遺憾だ」と厳しく批判した。

 在沖米海兵隊は14日、本紙取材に「事態を深刻に受け止め、事故原因特定に向けた確認を行う」と回答した。

 一方で、落下した部品も見つかっていない中でも海兵隊は「飛行経路のほとんどは水上」と強調し、事故原因が分かるまでの飛行中止にも言及しなかった。