共に学び合い「現状変える」 県内外の学生らがオンラインで企画 沖国大ヘリ墜落17年


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米軍ヘリ墜落現場のモニュメント前で、オンライン学習会の準備をする沖国大4年生の仲本和さん(左)と石川寛人さん=13日、宜野湾市の沖縄国際大学

 2004年8月に発生した沖縄国際大の米軍ヘリ墜落事故から、13日で17年がたった。「何も変わっていない。ヘリが今落ちてくる可能性が依然としてある」。同大4年の仲本和さん(21)と石川寛人さん(22)はこの日、事故の継承などを目的に県内外の学生とオンライン上で学習会を開いた。2人は「事故が風化していく一方、米軍ヘリが飛び交う『非日常』が日常化している。多くの人と学び合い、当たり前に基地や沖縄戦を語ることが、現状を変えるきっかけになるはずだ」と強調した。

 学習会には長崎県内の大学生2人と、千葉県から琉球大に進学した学生、沖縄から県外に進学した学生の4人が参加した。

 新型コロナウイルスの影響で、1、2年生は入学後、あまり大学構内に立ち寄れていない。大学の図書館には事故展示室が設けられているが、入館も制限されている。仲本さんは「事故を知らない学生が多い」と事故の風化がさらに進むことを危惧している。2人が事故について説明している間、米軍ヘリは何度も大学上空を横切った。2人はそのたび、空をにらんだ。

 県出身で国際基督教大(ICU)に通う國仲杏さん(21)=3年=は「今の若い人は生まれた時から基地があり、非日常と感じることが難しい」と話した。千葉県出身の森本千晴さん(20)=琉球大2年=は「沖縄県民でも無関心な人は多い」と指摘。「県外出身の私が基地について話すと、興味があってすごいねと感心されて終わることが多い」と悩みを吐露した。

 石川さんは「自分の考えや知識が全て正解か分からない。まずは自分のすぐ側にいる人に声を掛けて、一人でも多くの人と一緒に学び合いたい」「学び合いの輪を広げよう」と互いに気持ちを高め合った。